大野修一のみらい人事ブログ

求人・人事・組織についてニュースネタを元に綴ります。

新卒一括採用について

ピカピカのリクルートスーツに身を包み、あまりマチのない、きっとこの時期しか使えないような鞄を下げた就活生の姿を見かけることが多くなりました。


学生をまとめて集めて選考をし、来年4月にまとめて入社させる、新卒一括採用は特に海外からは奇異に映るようです。


ザ・チェンジ・メイカー(日本経済出版社/齋藤ウィリアム浩幸 著/2016.1.20)では皆で手を繋いでゴールをする日本の徒競走の姿を新卒一括採用と同根とし、本気で一位を目指して全力で走っている海外勢には勝てるはずもないと厳しく指摘をしています。


時代背景もあり、就活というイベントで敗れれば生涯低賃金の非正規雇用の身となる可能性が特に高いと思われます。


従って留年や大学院進学などをし、もう一度就活チャレンジの機会を得る方々もいるのですが、決して本意ではない訳ですから時間とお金がムダになることも多いのではないでしょうか。


新卒一括採用は企業の採用効率を重んじたモデルです。

高度経済成長下にあっては新卒一括採用は終身雇用とセットで、企業側が育成し、生涯面倒を見ることが前提となっていたため、機能していた訳です。


しかし低成長時代を迎えた今、企業側が個人の面倒を見る余裕はなくなりました。

終身雇用が崩壊しつつある現在、個人がキャリアを選択し、また能力開発をする必要に迫られています。

そのような中で、企業都合に立脚した新卒一括採用の問題が顕在化してきていることは当然のことです。

問題を活発に論じ、採用や労働市場が変化することが、日本の将来に必要です。