大野修一のみらい人事ブログ

求人・人事・組織についてニュースネタを元に綴ります。

学生は企業にとってお客様なのか?

この問いに答えるのは難しい。

面接のワンシーン。

「君も入社したらこんなことができるかもしれないんだ!どう?」

と学生を惹きつける一方内心では。

「いやーでも実際は自分次第だからなぁ。勘違いはしないで欲しいな」

と思います。

今は確かに運営しているサービスや店舗のお客様にもなりえますよね。

しかし入社をしたらばお客様ではなくなる。学生の入社後のイメージをして面接はしています。ここが難しいと述べた所以かなと思います。

 

人事採用担当の学生への向き合い方はお客様としての扱いである。

新卒社員の3割は人事が「神対応」しても辞める『DIAMONDonline,熊谷智宏 [我究館館長],2016.6.3』

「出会った学生はSNS(Facebook)でつながり、毎日質問に回答しています」(人材大手・人事)

「学生との面談後は必ずエレベーターまで送ります」(IT大手・人事)

「人事から『学生に良い印象を持って帰ってもらうよう』指示されています」(商社・採用担当者)

「合同説明会でブースに来た学生には、一人ひとりに名刺を渡しています。『何かあればいつでも相談してください』と言うと、学生の反応が良い」(メーカー・人事)

 学生に嫌な印象を持たれたら、SNSなどで悪評が流れ、人材確保が困難になるとのこと。

エレベーターで見送るのは当たり前ですが、他は個人的には過敏、過剰だと思います。

 

記事としては企業説明会や採用サイトでの存在が入社後のギャップを生む原因とのことですが、こうしたへりくだり過ぎる採用担当側の姿勢も大きな要因だと思います。

またインターンの指摘は鋭いですね。

インターンシップと言っても、会議室でグループワークをするだけ。たまに若手社員の人がアドバイスをくれるが、実際の仕事のイメージは持ちにくかった」

 企業の中には、実際の職場に学生を入れて、実際の業務を任せるところもある。

 しかし、まだ全体の中で占める割合はかなり低い。 

 中には「何があっても職場だけは学生に見せられない」という企業もある。

 なぜフロアに入れないのかを聞くと、

「説明会で見せている企業の姿や社員と実際にはギャップがある。学生たちの失望を生むから見せることができない」という回答が。

記事での指摘にあるようにインターンと言いながら、多くの企業は現場を体験させずに、別室で同期同士で疑似ビジネス体験などをさせることが多いのではないでしょうか。

結局『失望の先延ばし』をしているだけですよね。

採用担当は4月時点での入社者数を維持することが最大の目標、早期離職は現場のせい?早期離職数までを人事や採用担当者のKPIとして運用すべきだと思います。

勿論現場でのインターンを真剣に展開することで、採用担当者だけの責任にすることも避けられるはずです。

 

『失望の先延ばし』の一番の被害者は学生なのでしょうね。