大野修一のみらい人事ブログ

求人・人事・組織についてニュースネタを元に綴ります。

昇給よりも昇格を意識せよ!それが出世の早道だ!

先日、名古屋本社の株式会社ネクステージさんが新卒採用選考にBBQを導入したと記事を書きましたが、今回はなんと滋賀県長浜市にある市立長浜病院がBBQ選考を実施するとのことでした。


公立病院がBBQ!!

これは驚きですね。


さて、今日は「昇給より昇格を!」という、データも豊富に論旨が展開される面白い記事を見つけました。


大阪市参与で、アクセンチュア日本総研で活躍し、人事関連の著作もある平康氏の「出世ナビ」の連載の記事です。


「出世ナビ」というのも初めて知りましたが、面白いですね〜!


平康氏は1998年以降、右肩上がりの成長ができなくなった日本において定期昇給の仕組みが崩れ、現在に至る年収低下を招いていることをデータで指摘。


特にバブル時代は企業が所有する不動産の含み益で、昇給原資を確保していたが、バブル崩壊とともに原資を確保することができなくなったとのことです。


現在はどんなに目の前の人事評価で成果を上げても平均月1万円程度の昇給に留まるとしています。

※全国平均の昇給額は5000円です。


これを以って平康氏は賞与含めても年収ベースで15万程度とし、長年の人事コンサルの経験から一般職から管理職になることで年収100万円上がるような設計をしている企業が多いことを挙げ、昇給よりも昇格を強く意識するべきだと述べています。


翻って私も部下の評価をする立場にありますが、評価面談をしていても、若手からは「昇格は意識しない。少なからず昇給があれば…」という主張を耳にします。


仕事の責任が広がることを避け、自分の得意な領域で安全に仕事をしたいという志向を持つ人が全体的に増えているのではないかと思います。


しかし平康氏の主張を敷衍すれば、将来に渡る自らの稼ぐ力を放棄することを意味し、結婚、出産、育児ひいては自らの老後にまで大きな影響を及ぼしかねません。


平康氏は結びとして、出世の早道としてはなるべく早いタイミングで意識を引き上げ、上司やそのまた上司の仕事にふさわしい行動が取れるかどうか意識すべしと説いています。


一方、私はマネジャーの仕事として、部下の意識が自発的に引き上がるように支援をすること、常に出世したときに何を為すべきかを考えさせることを意識させることが人材育成の観点でとても重要だと考えています。



終身雇用支持!過去最高の数字

独立行政法人労働政策研究・研修機構が1999年から実施している調査において、「終身雇用をどう思うか」という質問に「良いことだと思う」と答えた割合が過去最高の87.9%だったことがわかりました。

年功賃金についても76.3%が支持、という結果でした。


いずれの項目も20.30代で割合が上昇しているとのことで、同法人は「終身雇用制度にほころびが出ているなか、将来への不安を抱える若者が増えている」としています。


同法人のHPを見ましたが、過去の数値を拾うことができませんでした。

終身雇用への支持が過去最高ということですが、これまでとそんなに変わらないのではないか、と少し疑っています。


労働者の立場では、終身雇用制度はできれば維持してもらいたいと思うのが本音ではないでしょうか。

YES-NOで答えさせる問いは如何なものかとは思います。


いずれにしても終身雇用制度や年功賃金は多くの企業で死に絶えています。


企業は生き残りを図るために、ローパフォーマーに辞めて貰って組織の代謝を図るかに腐心しています。

人材の「イグジットマネジメント」、つまり厳しい日本の解雇規制の中で人材をいかに入れ替えることができるか。ぶら下がり社員に対しての警戒感を強めてきています。


一方、労働者側に立てば「エンプロイヤビリティ」、つまり雇用される能力をいかに高めていくかが問われます。

会社の支援、または個人の責任下での能力開発が一層求められるでしょう。


終身雇用や年功賃金という古き良き日本の雇用慣行に憧憬の眼差しを送りたい気持ちはわかりますし、私もその一人です。

しかし時代は大きく変化しています。変化に対応できなければ、(ダーウィンではありませんが)、自滅してしまうこともあるでしょう。

電通の過大請求の影響

電通の過大請求は驚きとともにあり得ることだろうというのが率直なところです。


明るみに出たのは111社633件。

金額にして約2億3000万円。


このうち掲載がされていなかった、架空請求は14件320万円とのことでした。


発端が電通最大の取引先のトヨタからの指摘だといいます。

トヨタだからこそ精緻な分析をして、契約内容との不一致に気づいてといえましょう。


デジタル広告の登場期では枠売り型の広告が主役でしたが、テクノロジーの進化で現在は運用型デジタル広告が主流となっています。


運用型デジタル広告はポータルサイトSNS、アドネットワークなどに検索、閲覧をしているユーザー特性に応じて(オーディエンスと言います)文字通り出稿を日々運用していう新しい広告手法になります。


このロジックが複雑だと思うのですが、複雑ゆえに不正もしやすいという指摘があります。


WEBの求人広告も効果が出ないとお客様から本当に掲載されているのか?掲載が落ちているのではないか?という指摘をしばしば頂くこともあります。


この点でWEBより紙の媒体を好む採用担当者も現に多いと思います。


求人広告については旧来からの枠売り型が現在も多いので今回の電通のような不正は発生しにくいとは思いますが、業界のガリバーの

過大請求は非常に影響が大きいのではないでしょうか。

韓国のアルバイト事情

韓国には『アルバモン』というアルバイト求人サイトがあるようです。


なにやらゲームの呪文のようです。

でも『バイトル』もユニークな名前ですね。


この『アルバモン』が実施した調査によると韓国のアルバイトが選ぶ「最低の客」ランキング1位は「店内にゴミを放置して去っていく客」、2位は「レジで、お金やクレジットカードをポイっと投げる客」、そして3位が「絶え間なくせかす客」でした。


日本でもこのような光景は見たことがありますから、万国共通の調査結果かもしれません。


しかしここからが韓国らしさ満点なのですが、店舗側の対抗策が強烈です。


制服の背面に「人様の子ども」とプリントしている店舗があるとのこと。

これは「お客様にも大切な子どもがいるように、私も大切な子どもです」という無言のメッセージなんですね。


また、「タメ口にはタメ口で返します」など顧客向けにルールを明示している店舗もあるようです。


日本では、じっと耐える、我慢することが多いかもしれません。

なぜなら「お客様は神様です。」とどこかで思っていたりする国民性があるように思います。


皆さんはどう思われますか。


因みに韓国の現在の最低時給は日本円にして

時給540円だそうです。2017年には上がる予定らしいです。


■参考記事

livedoorニュース

http://news.livedoor.com/lite/article_detail/12062421/





アルバイト面接のキャンセル事情 エン・ジャパン調べ

昨日うちの会社の新機能について書いたのに、今日は同業のプレスリリースについて書くというのもいいですよね!?


誰に同意を求めているのかわかりませんが、昨日の記事に関連もあるのでご了承下さい。


エン・ジャパンさんが運営するアルバイト求人メディア『エンバイト』上でサイト利用者へ「バイト面接」に関してアンケートを実施しました。

回答は2,784名だそうです。


質問は主に3つ。


1.バイトの面接をキャンセルしたことがあるか?

36%の方があると回答。

面接日当日のキャンセルは30%。

ほぼ当日にキャンセルしていることがうかがえます。


2.面接キャンセルの理由は?

第1位は「他のバイトが決まったから」

さらに当日キャンセルの理由の第2位は「面倒になった」25%!


3.事前に企業にキャンセルの連絡をしたか?

「しない」が11%で、10代に限定すると34%!!


やはり10代では社会人としては当たり前の対応がなかなか難しいようです。

私も当時は連絡していない派と思います…


無断キャンセルの理由としては面倒だったという回答がある一方、企業側の対応への不満という回答もあったようです。


お客様(企業側)がよく言われるのは「近頃の応募者は繋がらない」、「インターネットからの応募は繋がらない」ということです。


しかし採用のプロセスにおいて応募段階では求職者が企業を選択しているのです。

企業側は選択はできません。

すなわち求職者は企業より優位といえます。

当たり前ですが、とても重要なことだと思います。


従って昨日の記事のように、ディップがリリースをした「つながるプロジェクト」は求職者と企業との間に横たわるギャップを解消し、選ばれる立場であるお客様側の負担のサポートができることは同業の調査結果からもとても有意義であると考えます。


ディップ、つながるプロジェクト始動!

手前味噌な記事ですが、「つながるプロジェクト」なるものを始動しました。

プレスリリースもしております。


アルバイトの採用において、最も多い企業側の悩みの一つが、「応募者とつながらない」というものです。


「つながらない」には理由があります。

インターネット調査を通じて明らかになったのが求職者と企業側とのギャップがあるのではないかということです。


求職者の61%が「当日中に連絡が欲しい」と回答。さらに「応募からどのくらいの期間連絡が無いと、印象が悪くなるか」では「3日以上」が44%で最多となりました。


一方で企業側の実態としては営業や時間帯の都合で即日の対応ができないことで応募者を取りこぼしていることが大きな課題としてあります。


このギャップを解消しようとする動きが、応募受付の代行サービスです。

しかし、チェーン店など外部委託の必要性が高い企業を除けば、現実的な選択肢ではないでしょう。


そこでディップは求職者、企業双方のギャップを埋めるべく、二つの機能を運営するメディアに実装致しました。


以下はプレスリリースからの引用となります。


■つながるコール
1. 「バイトル」「はたらこねっと」からの応募である事がすぐわかる音声ガイダンス機能
2. 不在時、時間外でも入電記録がメールですぐ届く応募通知機能
3. 電話応募も管理画面で確認できる応募者情報照会
4. 通話応募状況の分析ができるレポートを詳細化

■つながるメール(バイトルのみ)
1.求職者から応募が入った際の通知メールに応募者情報を表示、管理画面へのログイン不要で即連絡が可能
バイトル管理画面の個人アカウント認証の仕組み/送信メールサーバの暗号化により、セキュリティは担保されています。

ディップのメディアでお仕事を探して下さっているユーザーを決して裏切らない。

ユーザーファーストを貫きます。


企画、開発部門の方には感謝です。


AKBさんを起用した新CM、ぱるるの卒業宣言?で話題沸騰中です。是非この機会に新たな機能を搭載したバイトル、はたらこ、ご利用下さい!!


飲食店の採用面接における意識調査

「求人@飲食店.COM」を運営されている株式会社シンクロ・フードさんが飲食店の採用面接における応募者の意識調査を実施しました。


■9月15日のPRTIMESより

http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000212.000001049.html


社員希望者とアルバイト希望者で採用担当者に好感を持つポイントが少し異なる結果が出たそうです。


まず両者とも最も高かったポイントは実は共通していました。

「返信や連絡が早い」という点でした。


飲食店に応募する際はランチとディナーの後のアイドルタイムにすべきですが、アイドルタイムも不在にしていたり、仮眠を取っていたりしているケースも多いようです。


飲食店側もクイックレスポンスの重要性は承知していいると思いますが、営業優先でおざなりになりがち。

売り手市場の中で、現在は人材サービス会社が応募者対応から面接設定まで代行をするサービスが流行っています。


さて、次に好感を持つポイントは社員、アルバイトで分かれています。


アルバイト希望者は「話をしっかり聞き、質問に明確に回答する」ですが、社員希望者は「お店の良い点だけではなく、課題・問題も話す」となっています。


アンケートサマリーでも言及されていますが、社員希望者は入社後にお店の成長に貢献したいという意欲が当然アルバイト希望者よりも高いゆえという事だと思います。


加えて、私は売り手市場の中で、求人広告含めて自社のアピールを欠かしません。

過酷な労働環境が社会問題に発展していて飲食業に対する応募者の眼差しは当然厳しいと考えて良いのではないでしょうか。


従って、当然お店の成長に貢献したいという前向きな気持ちの一方で、この会社で社員になって大丈夫か?問題はないか?という慎重な気持ちも表れているのではないでしょうか。


RJP、リアリスティック・ジョブ・プレビューという

採用における用語があります。

良い事も悪い事も求職者の方にありのままの仕事の姿を伝えるという考え方です。


売り手市場では実践しにくい現実があるかもしれませんが、採用する企業側も偽った広告内容で採用をしてしまうと、その後が大変です。

早期に辞められてしまうと、広告費や育成にかけたコストまで無駄になります。


なにより入社してきた方の人生、キャリアにも暗い影を落とします。


採用面接の担当者はこのアンケートの結果を踏まえて、お互いが望ましい結果になるか、冷静にジャッジする必要があるのではないでしょうか。