定年後再雇用で賃金引き下げは「違法」
働く人にとっては朗報!
雇う側にとっては悲報!?
以下記事引用。
「横浜市の運送会社を定年退職後、有期契約で再雇用された運転手三人が「仕事内容は全く変わらないのに、賃金が引き下げられたのは理不尽だ」として起こした訴訟の判決で、東京地裁は十三日、引き下げを違法と判断し、運送会社に定年前と同水準の賃金の支払いを命じた」
(東京新聞 朝刊/2016.0514)
定年後にめでたく再雇用して頂いたらば、賃金が減っても文句の一つも言いません!
というのが割と世間一般のイメージではないでしょうか。
同一労働同一賃金の法改正が19年度に行われる予定という報道もありました。
実はすでに賃金格差を禁じる法律はいくつか施行されています。
具体的には以下の通りです。
平成24年改正
労働契約法20条
「有期労働契約であることによる不合理な労働条件を禁止」
平成26年改正
パート労働法8条及び9条
「正社員と同視できるパート労働者の差別的取扱いを禁止」
平成27年
同一労働同一賃金推進法
派遣労働者対象。しかし具体的な手段は定められず。
近年様々な関連法の改正で同一労働同一賃金推進の動きは進んできたと言えます。
今回の判決も上掲の労働契約法20条を根拠としているようです。
ドライバーのように走行距離、勤務日数など再雇用後に変化がなければ、企業側は定年前と同一の賃金を支払う必要がありそうです。
賃金カットすると訴訟リスクに企業がさらされ続ける状態に陥ります。
ホワイトカラーの仕事では「同一労働」を定年後も続けるのは難しい(配置転換などでいかようにもできる)ですが、現業職、単純な労働は裁判所も認定しやすいと思われます。
さらに人出不足感が強いことも企業側には追い打ちをかけることになると思われます。